フランスで見つけたアートな落書き
本来ならば落書きであるため、器物破損と訴えられ兼ねません。
がしかし、いくつかの国では観光の材料として利用する例もあります。フランスは一部落書きがアートとして認められている事例です。実際落書きのクオリティも高く、さすが芸術の国だと思います。
今回はお堅い記事です。気軽に読めるのはこちらhttps://akkkiee-challenging.hatenablog.com/entry/2019/01/15/こんなものまで!?どこか見たことある落書き
【定義】
Wikipediaによると
ストリートアート(street art )とは、街をカンバスとしてペンキやスプレーで描かれる落書きの事。自称アート。英語ではgraffiti(グラフィティ)とも呼ばれることもある。適切な場所に描かれたものに関しては市民権を得るようになってきているが、本質的には迷惑行為であり犯罪である。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ストリートアート2019.1.14)
ここで「グラフィティ」を調べると、
落書き。本来は考古学用語で、壁などに刻まれた古代の絵画や文字。(https://kotobank.jp/word/グラフィティ-485708#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89デジタル大辞典2019.1.14)とあります。どうやら、考古学用語から芸術に用いられるようになったようです。また外壁に多く見られることから、一部wall paintingとも呼ばれています。ちなみに、度々世間を騒がせているバンクシーさんも社会風刺に富んだグラフィティアートを多く残しています。
さらに「グラフィティ」について調べてみたところ、以下のような説明がありました。
graffiti art
「グラフィティ」は落書きのこと。 1960年代末ころからニューヨークの街の壁,地下鉄などに黒人やプエルトリカンらによる落書きが見られるようになった。エア・スプレーなどを使って激しい筆致で描かれるそれらの絵や図案化さた文字などは,やがてパンク・ムーブメントやニュー・ペインティングの流行と相乗して,芸術として評価されたり商品価値を与えられることになる。グラフィティ・アートのスタイルを消化して有名になったニューヨークの画家には,J.M.バスキアや K.ヘリングらがいる。(https://kotobank.jp/word/グラフィティ・アート-162140#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29ブリタニカ国際大百科辞典2019.1.14)
市街での落書きに対する関心は同時期のヨーロッパでも見られた。なかでもベルリンの壁の西側には、壁の構築時から多くの落書きが描かれ、その落書きのなかには、無名の市民に混じってクリスチャン・ボルタンスキーらの「作品」も含まれていた。時期的に一時の熱狂より少し以前にまでさかのぼることから、グラフィティ・アートの先駆をニューヨークではなくこちらとみなす場合もある。ほかには、アムステルダムのゴッホ美術館や市立近代美術館の周辺などが、1980年代前半には落書きによって埋め尽くされていたことで著名である。(https://kotobank.jp/word/グラフィティ・アート-162140#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29日本大百科全書2019.1.14)
新しい芸術の形態として認められ、更にはパンクムーブメント、ヒップホップ文化にも繋がるとされています。
パンク・アート
punk art
「くだらない人間,青二歳,たわごと」の意の俗語。一般的にはパンク・ロックやパンク・ファッションなどの言葉で有名。 1976年ごろ,イギリス経済の停滞,失業率の増大などの社会不安を背景にして,ロンドンの労働者階級の若者を中心に自然発生的に巻き起こり,圧倒的な支持を得る。セックス・ピストルズらに代表されるロックでは単純なコード進行に乗せて破壊的・暴力的な歌詞を歌う。こうした風潮はデザインなど社会全般に及んだが,美術においても,パンク・ムーブメントとニュー・ペインティングはその性格と出所によって深く連動していると思われる。グラフィティ・アートの発生,ロックにも美術にも共通するニュー・ウエーブという言葉にもそれは見られる。(https://kotobank.jp/word/パンク・アート-162171ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典)
ヒップ‐ホップ(hip-hop)
1970年代前半ごろから、ニューヨークの路上で始まった、音楽・ダンス・ファッションを中心とする黒人文化。建造物の壁や地下鉄の落書き(グラフィティアート)、アクロバットのようなブレークダンス、音楽面ではラップやスクラッチなど、貧しい若者たちがお金を使わずに楽しめる娯楽を生み出した。(https://kotobank.jp/word/ヒップホップ-186245#E7.B2.BE.E9.81.B8.E7.89.88.20.E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.9B.BD.E8.AA.9E.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E5.85.B8デジタル大辞典2019.1.14)
・Paris
↑↑こちら調べてみたところ、バンクシーさんの五月革命をテーマにした作品だそうです。話題の方の作品、偶然にも見つけていました。
・Lyon
【違法性と対策】
前述した通り本来は器物破損にあたる犯罪であり、取り締まられます。しかし、深夜にゲリラ活動で描かれることが多く、誰がいつ描いたのか不明なものが多いのも事実です。そのため犯人を探そうにも、近辺の住民とは限らず困難を極めます。
完成度の高いアートは他の落書きや貼紙広告を防止する役割を果たします。が、悪質な自称アートは後を絶ちません。
対策として、自由に描ける壁面を解放しリーガルグラフィティ(合法的な落書き)を促進しようとする自治体や建物所有者が現れているようです。
【公認】
・トロンプルイユ(だまし絵)
trompe-l'oeil(目を騙すという意味)を描いた建物を多く残しています。
これらの繊細に描かれた“だまし絵”は、シテ・ドゥ・ラ・クレアションCité de la créationというアーティスト集団によって描かれています。彼らは有名な壁画のアーティスト集団で、1978年以来500以上の壁画を描いています。
“Fresques des Lyonnais(リヨン人のフレスコ画)”
描かれている人物についてはこちらの方のページに詳しく書いてありました↓↓
https://www.lyonpedia.com/ja/visiter/mur_de_lyon.html
場所
Fresque des Lyonnais
2 Rue de la Martinière, 69001 Lyon, フランス
https://goo.gl/maps/ZVP3HG3QZbw
絵の世界に入り込める大階段
“Le Mur Des Canuts(カニの壁)”
こちら色褪せてしまうため、10年毎に描き直しているようです。その度に歩行者の位置や年齢、建物のデコレーションなども変わるとの情報がありました。2019年最新はこんな感じです。
場所
Mur des Canuts
36 Boulevard des Canuts, 69004 Lyon, フランス
https://goo.gl/maps/kVmtjQEaCSv
大きな本棚!?
“La bibliothèque de la cité(都市図書館 ) “
場所
Fresco "The library of the city"
法國, 6 Rue de la Platière, 69001 Lyon, フランス
+33 4 72 10 30 30
https://goo.gl/maps/nRX2Bte29gJ2
・解放された壁の例
北駅の上を通る通路から側面の塀に沿って壁が続いています。
場所
Rue d'Aubervilliers
フランス パリ
https://goo.gl/maps/czvn69QjVGo
※北駅付近は少し治安が悪いので、夜遅くには通らないようにして下さい。安全第一。
他にもモールの壁
Métro 地下鉄
こちらはモザイグ画ですね。
商業におけるグラフィティの利用もあります。スターバックスは店内デザインでアーティストを起用して、上手くグラフィティを用いている好例ですね。数年前のTV放送で観たのを覚えていますが、日本人アーティストも起用されているようです。一筆書きで人々を描き、「みんなを一つに繋ぐ」と表現した太田翔伍さんです。https://www.junglecity.com/people/hottalk/interview-shogo-ota/
【まとめ】
犯罪性の側面は見過ごせませんが、アート性は素晴らしいと思います。日本など防犯カメラが多い国での逮捕率は高くなるので、危険は犯さないようにして下さいね。個人・地方自治隊の正しい募集に則って作品をつくりましょう。まだ試験的な対策が続いていますし、根本的な解決には時間がかかりそうです。日本におけるグラフィティの利用は以下から↓↓
渋谷宮下公園
https://camp-fire.jp/projects/view/52974
落書きが景観を損ねると問題になっていて、その対策に踏み出した例です。クオリティの高いグラフィティを描くことで、更なる落書き防止を目指しています。
水戸市大洗シーサイドステーション
https://mito.keizai.biz/headline/909/
こちらは誰でも翼を生やせるというもの。近年SNSのプロフでよく使われていますよね。オリジナルはどれか、また機会があればリサーチしてお伝えします。
https://www.niitsu.info/shutterart/
福岡県 伊田商店街
https://tagawalife.com/2018/06/01/post-3047/
制作過程を面白おかしく書いてる記事です。
https://higashiosaka.keizai.biz/headline/883/
学生の卒業制作として行われた例もあります。
こちらの関連記事もどうぞー
https://akkkiee-challenging.hatenablog.com/entry/2019/01/15/こんなものまで!?どこか見たことある落書き